ご挨拶

時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。

この度、「九州地区総合技術研究会」を九州工業大学で開催することになりました。本会の成功を期して、本学の技術部の全員が一丸となって開催準備にあたっています。

「九州地区総合技術研究会」は、九州地区の国立大学法人、国立高等専門学校や大学共同利用機関法人に所属されている技術職員を主たる対象として、隔年で開催して今回が第3回となります。また今回の研究会では、情報技術分野を第11回の情報技術研究会として併催します。技術職員の皆様が行っておられる様々な活動、すなわち実験や実習等の教育支援、研究活動やその支援、社会貢献活動等の業務において、日夜続けられている工夫や改良、失敗から学ばれた改善は、高等教育研究機関にとって欠くことができません。本研究会はこのような活動の発表の機会を通して、情報や問題を共有することにより、所属される各機関の機能強化に役立てることを目指しています。

逼迫する国家財政のもとで、高等教育研究機関には社会からの厳しい要求を解決することが求められています。教員や研究者だけではなく、技術職員と事務職員の全員が意識を共有して機能強化に尽力することが、このような社会的要請に応えることにつながり、社会的な信頼を勝ち取ることができると考えています。

本研究会が参加される技術職員の皆様にとって有益な機会となり、高等教育研究機関に所属する重要な一員として機能を発現される契機となることを祈念します。

九州工業大学 学長 松永 守央

世界遺産のある街・北九州市 九州工業大学の紹介

今回の開催会場となる九州工業大学は、東京帝国大学の総長を務めた山川健次郎と安川財閥の創始者である安川敬一郎によって、1909年(明治42年)に私立の旧制工業専門学校・明治専門学校として開校されました。創立経営を託された理学博士 山川 健次郎氏の高い理想のもとに、「本校は単なる技術を授くるの場所に非ずして、人間形成の道場であらねばならぬ」とされ、すなわち「技術に堪能なる士君子」を養成するという指導精神がここに確立されたとあります。その後、1921年(大正10年)に官立に移管され、1949年(昭和24年)5月31日に九州工業大学の設置になります。1985年(昭和60年)には、国立大学の中では唯一の情報工学部が開設、2000年(平成12年)には、北九州学術研究都市に大学院生命体工学研究科を設置し、安川電機、早稲田大学、北九州市立大学、九州歯科大学、産業医科大学、英国クランフィールド大学、理化学研究所脳科学総合研究センターなどと連携しています。

このような九州工業大学が立地されている北九州市や飯塚市は、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」が、平成27年7月5日、第39回ユネスコ世界遺産委員会において、世界文化遺産に登録決定されました。この遺産群は、北九州市を含む8県11市にまたがる23資産からなり、北九州市からは、官営八幡製鐵所関連施設が構成資産に含まれています

併せて、北九州市を見下ろす皿倉山は、新日本三大夜景100選に選ばれ、展望広場から、西に沈む夕日に染まる北九州市全景が「100億ドルの夜景」と謳われた夜景に移り変わっていくパノラマを心行くまで堪能していただけると思います。

また、特別講演は全国各地で展開されているリノベーションを通じたまちづくり活動を積極的に推進されている本学の徳田光弘准教授にお願いしています。ご研究を通じての建築計画・地域デザインなど多岐にわたる興味深いお話をご期待ください。

実行委員長 浅川 和彦